June 28, 2024
酒田市街地の中心部・中町には食堂、居酒屋、カフェといった多くのお店が立ち並び、そのほとんどがチェーン店ではなく個人経営のお店です。
だからなのか、まだ行ったことのないお店に入るときはいつも少しドキドキしてしまいます。お店の雰囲気に馴染めるかな…、一人で行っても大丈夫かな…とか、つい余計なことを考えてしまうのが私の悪い癖です。
市役所向かいの交差点にある喫茶店・山茶花(さざんか)も、私にとって「気になるけれどまだ行けていないお店」のひとつ。
外からは店内の様子がよく分からないため、なかなか入り口の扉を開けられずにいました。でも、この日はたまたま私と同世代くらいのお客さんがお店から出ていくのが見えたので、思い切って「新しい扉」を開けてみることに。
入った瞬間、目の中に飛び込んでくるレトロな空間。 窓から差し込む光の色合いも、お店の中と外ではまったく違って見えます。
「いらっしゃい、好きなところにすわってね」店員さんの温かな一言に、扉を開ける前の緊張感はどこかに吹き飛んでしまいました。
座り心地の良い柔らかなソファー、ガラス張りのテーブルを見ると天然石をあしらった異国風のアクセサリーが並んでいます。
布地のメニューブックは店主の手づくりなのだとか。お店から醸し出される、どこか懐かしさのある不思議な世界感にどんどん引き込まれていきます。
お腹がすいていたので、さっそくウィンナーコーヒーとを注文。コーヒーミルにかけられた焙煎豆の香りが店内に漂います。
アンティークなカップに盛り付けられ、運ばれてきたウィンナーコーヒー。
ホイップクリームの芳醇な甘みがコーヒーの苦味と絶妙に溶け合い、 思わず「美味しい」の一言がこぼれました。
この雰囲気に気持ちもすっかりなじんできたので、デザートをもう一品追加したい欲求が...「やはり喫茶店といえばパフェ」ということでフルーツパフェを注文。
パフェを作る店主の姿をちらりと見ると、リンゴに細かく切り込みを入れていてなんだか職人のような手さばきです。
運ばれてきたフルーツパフェはメロンやスイカ、飾り切りされたリンゴなどの果物がふんだんに盛り付けられ、手の込んだ作品のような仕上がり。
「すごく美味しそう!でも、すぐに食べてしまうのはもったいないな…」と、しばし見とれてしまいました。パフェの果物は、春にはいちご、秋には柿や梨という風に季節や時期で変わるそうです。
旬の美味しい果物をパフェでいただく、これはきっと最高レベルの贅沢。
全シーズンのフルーツパフェをコンプリートするという、私の新しい目標が生まれた瞬間でした。
店主にお話を聞くと、長年の常連さんに加えて、最近は新規で訪れる若い世代も増えてきているそうです。最初は数人のグループで来るけれど、そのうち1人でも訪れるようになり、そのまま常連さんになっていくのだとか。
私も今日はテーブル席でしたが、今度また来るときにはカウンター席のほうに座ってみようかな。
ひとつお店を知ると、ひとつ世界が広がっていく。
そんなところが酒田のまちの持つ魅力なのかもしれません。
【掲載商品】
・ウィンナーコーヒー
・フルーツパフェ
【店舗情報】
「さざんか」
住所:酒田市中町1-14-26
営業時間:9:00~21:00
定休日:不定休