“イカに恋してる”というキャッチコピーそのままに
惚れ惚れするようなイカのおいしさを伝えている山形飛鳥。
水揚げ後に船上で急速冷凍した
高い鮮度が自慢の「船凍イカ」を、冷凍や加工品で販売しています。
2年前には酒田港のフードコートSAKATANTOに
「イカ恋食堂」を出店。待望の2店舗目がいろは蔵パークにオープンします。
Q.新・イカ恋食堂は120席の飲食スペースとのことで、メニューもSAKATANTOとは違ったものになるそうですね。
SAKATANTOといろは蔵パーク、イカを共通項としながらそれぞれの特徴を持ったお店にしたいと考えました。庄内といえばやっぱり米どころ、庄内米のごはんをメインにします。イカのほかに地元のおいしい野菜や魚も取り入れて、ごはんのおとも、ごはんが進む副菜を味わっていただけるメニューを用意します。SAKATANTOではイカの刺身やイカ明太といった生食が中心でしたが、いろは蔵パークではイカの揚げ物や焼き物などの温かいメニューが加わるのも大きな違いですね。
Q.イカは家庭で調理すると油はねが気になってなかなか手が出ませんが、あの新鮮なイカを揚げて味わえるのはうれしいです。
揚げ方にちょっとコツがいりますもんね(笑)。魚類は加熱温度によってタンパク質が変性して縮んでかたくなりがちですが、いいフライヤーを見つけたんですよ。これはでかした!と(笑)。揚げてもイカは縮まず、食感も明らかに違います。
Q.イカだけでなくほかの魚介類や野菜もごはんと一緒に味わえるお店になるわけですね。
地元の方も観光の方も、あらためて酒田・庄内のおいしいごはんと野菜と魚を味わってもらおうと、工夫を凝らして試食とメニュー作成を進めているところです。野菜は地域の固有種である在来作物もお出しする予定です。在来作物は収量に限りがあるので地元でもあまり出回っていませんから、いろは蔵パークで知って、食べていただく機会になれば。酒田らしさ、庄内らしさを前面に打ち出していきたいですね。
Q.各地に特徴的なフードコートがあるなかで、いろは蔵パーク店の“推し”はどんなところですか。
近年この地域にはない大規模の施設で、さまざまな店舗もあって、約90席を提供できる場所はなかなかありませんから、多目的に利用していただけるのではないでしょうか。全国の複合施設でも、イカを主に提供している飲食店はそうないので、いろは蔵パークに行けばイカが食べられるという分かりやすさは一つの売りでもあります。私たちは、どこでも食べられるものは作れませんし、ここでしか食べられないものしか作れません(笑)。ただ食べておいしいだけではダメで、来て、楽しんで、こんなこともやってるんだ!とワクワクしてもらえる企画を考えていきたいです。
Q.五十嵐社長は新潟のご出身で、酒田のイカに惚れ込んで事業を始められたわけですが、酒田・庄内の魅力をどのように感じていらっしゃいますか。
「食と文化」の魅力ですね。ここは歴史ある地域で、本間家をはじめ先人の努力の賜物で今があると感じられる、とてもいい場所だと思います。砂防のために植えられた長大なクロマツ林もすばらしいですし、2体も即身仏が安置されていて、地域資源、観光資源といえるものがたくさんあります。そこへさらに四季折々の食材を味わうこともできる。そうした食と文化を発信して、もっとたくさんの方に来ていただきたいですね。
いろは蔵パークもいい場所にできますよね。山居倉庫と鳥海山を眺めて、新井田川沿いに歩けば港に着きます。山と海と平野がコンパクトにおさまった庄内の良さを周遊して体感できると思います。ちょうどいいサイズに多様なものがそろった庄内で、私たちは食文化を盛り上げて地域内外に発信していく、その一助になれたらと思っています。